シャブリの位置は首都パリから南東方向にほんの150kmほど下ったところ。
国内の交通の便は意外によいのです。
ブルゴーニュ地方中央部のボーヌ市まで、約150km程度、つまりパリとボーヌの中間に位置するブルゴーニュの飛び地のような位置です。
シャンパーニュとロワールと並び、車の手配さえつけば、パリから気軽に行けるワイン産地です。
▲白ワインの世界的銘醸地シャブリ地区は、ブルゴーニュ地方の北の玄関口。
パリから車でなら2、3時間。
「カキに合うって聞いてるけど他の白ワインとどう違うの?
…フランス人もシャブリとカキをあわせるの?」
シャブリは、「キンメリジャン」という貝殻化石がごろごろしている土壌です。
これは、シャブリが昔海の底だったことを示しています(ヨーロッパの隆起が起こったのは恐竜絶滅よりずっと後です)。
ブルゴーニュと言ってもその南のコート・ドールの土壌とは大きく異なります。
シャブリのワインが持つミネラル香、フリント香(火打石の香り)はこの土壌に由来するもので、海由来のミネラル分がカキをはじめとする海の食材とよく合う理由、と言われています。
それはある意味真実であり、是非シャブリをご購入いただいて、花や果物の香りと同居するミネラルの香りを見つけて、海の幸と楽しんでいただきたいと思います。
キンメリジャン土壌は、シャブリ固有のものではなく、実際はロワール地方のサンセールからシャブリを経由してシャンパン地方のコート・デ・バール地区まで続く広大な土壌です。
ワインは土壌由来の複雑さに特長があるものが多くなります。
なので、パリジャンは本当によくカキを食べますが、カキ=シャブリかと言われると、そうでもありません…。
カキを扱うパリのレストランのワインリストには、シャブリはもちろんですが、冷やして美味しいもっと軽い白もたくさん並んでいます。
▲シャブリワインの特長を生む土壌「キンメリジャン」は、ロワール地方東部からシャンパーニュまで続く古代の海底の地層。
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▲「キンメリジャン」は太古の貝類と砂利が混じりあい、ミネラル豊かな水はけが良い土壌。
同じシャルドネ種を使ったブルゴーニュ白でも、コート・ドール産とは全く異なる個性に。
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▲カキに代表される魚介類には、著名畑のワインでなく爽やかなスタンダードクラスのシャブリがむしろ合う。
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また、同じシャブリでもグランクリュ(特級)やプルミエクリュ(1級)のシャブリはアペラシオンも別で、ワインとしての特長が異なります。
これら「クリュ・シャブリ」と呼ばれるワインは、辛口でもかなりコクが感じられ、生ガキや白身魚よりも、鶏料理等が合うようになります。
次回はその「クリュ・シャブリ」についてお話してみたいと思います。
(第1回終り)
ただいま当社でお取り扱い中のおすすめシャブリ生産者です。
公式オンラインショップ「マスターワイン新橋」にてご紹介中です。
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【ドメーヌ・ベッソン】
ブルゴーニュ「若き才能」トロフィー受賞の注目醸造家が造る新星ドメーヌ。特級・1級の畑も所有。
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【ドメーヌ・L・シャトラン】
パリのガストロノミー界で愛される、古典的スタイルのシャブリ生産者。 |
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